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Wednesday, December 27, 2006

アトーチャの駅と近代美術館


マドリッド、アトーチャ駅から見える所にあるソフィア王妃の名を冠した近代美術館。あまりに巨大なため、どこからでも目につき、駅から道を横断したら、すぐに行けるのではないかなどと思っていると大間違いで、実は、アトーチャの駅からも見えていながら、なかなか入り口にたどり着けない、不思議な建物です。最近のスペインの美術作家の作品も収蔵品や企画展示で見ることができますが、ここの目玉はやはり、ピカソです。そうは言っても、ピカソならパリで見れば良いという方もおられるでしょうし、やはり、マドリッドではプラド美術館のほうにたっぷり時間をかけたほうが良いかも知れません。ともかく建物が巨大なせいか、まず、入り口にたどりつくまでに疲れ、さらに中でもさんざん歩き回ることになるので、歩くのに適した靴をはいていくことをおススメします。


道向かいのアトーチャ駅の中はさながら温室で、亀の泳ぐ池まである

Tuesday, December 26, 2006

ティッセン・ボルネミッサ・コレクション


美術館の建物や中のショップ、レストランの撮影をしようと思う場合、エル・プラードのような厳戒態勢の美術館にカメラを持ち込むのは正式な取材許可がない限り無理なので、旅行のような、仕事のような、極めて曖昧にしている私の旅の場合には、近・現代美術館を狙うことが多いのです。スイス国籍のティッセン・ボルネミッサ男爵家のコレクションがスイスではなく、スペインに寄贈されて美術館になったというので、かなりの期待をもって見に行ったのですが、先代から受け継いだビミョーな印象派作品が多く、逆に現代美術はさほど目を見張るようなものがなくて、なんとなくガッカリしてしまいました。レストランは大変人気が高いようで、お茶の時間のマダムたちでごったがえしていましたが、あまりの混雑ぶりに、こちらも退散。一方のミュージアム・ショップではオリジナル・グッズのスカーフや、値の張るものを多数扱っていましたが、いかにもお金持ちそうな、おそらくは美術館の理事会のメンバーか、その夫人ではないかというモデルのような女性が割り込んできて、店員に相手をさせ、見ていて不愉快でした。頭の悪い女性はどこにでもいるものですが、そういう時のために、その人がわかる言葉で、「まぁ、お下品な! どういう育ちの方なのかしら?」と大きな声で独りごとが言えるように心がけているわけです。だいたいスイスの寄宿学校出身のマダムが多いので、フランス語が良いかも知れません。

Sunday, December 10, 2006

エスコリアルの離宮にて

マドリッド郊外、エル・エスコリアルを訪れたのは2005年の2月末で、中庭には数日前の雪が残っていて、子供たちが雪合戦に興じてました。小高い山の頂きに位置するエスコリアルにはスペイン王家の墓所があり、つくりとしては、要塞、兼、墓所という、来る者を拒む厳しさが感じられます。礼拝堂の他には、高貴な人にだけ使用が許された壮麗な図書閲覧室があり、いかにも閉じられた祈りと研鑽の場といった風情をかもし出しています。


私は以前、宮廷画家のヴェラスケスについての著作を出版して以来、ずっとエスコリアルへ行きたいと思っていました。ヴェラスケスが憧れたというティツィアーノの絵画がそこにあるからです。また、よくはわかりませんが、もともと私は十七〜八世紀のバロック・ライブラリー全般に強く惹かれるものがあり、特にプラハのストラホフ修道院と、このエスコリアルの図書室には不思議な既視感を覚え、また、時々夢の中で黒い馬に乗って、大きな太刀を下げ、黒い僧服をまとって荒涼とした土地を疾駆しているらしい自分の足が見えるので、もしかすると、その頃に僧兵として、合戦に参加していたのかも知れません。基本的にはカトリック圏の、かつて僧院として使われていた学術研究機関の建物に足を踏み入れるとなぜかホッとして懐かしさを感じ、装飾を排した要塞建築の厳しさに好もしさを覚え、高価な書籍が天井までぎっしり詰まった書架を見上げて微笑し、一方で、あちこちに飾られた華美な美術品にも惹かれるという、ちょっと倒錯的な雰囲気が私自身にもあります。地理的に離れたプラハとマドリッドですが、いずれもハプスブルク家ゆかりの地で、戦乱の多い時代のことですから、その双方を前世で見ていたとしても不思議はないかも知れません。もともと日本の刀のように片側にだけある剣には馴染みを感じず、幅が広く、両側が刃になっていて、両手で持って振り回すタイプのものを博物館で見ると親近感が湧く・・・というか、これこそが剣だという気分になるので、たぶん、そのあたりで合戦していたのでしょう。まぁ、ロクなことはしていなかったものと思われます。

Tuesday, December 5, 2006

Happy Holidays!!!

社長の愛犬・瑠斐より、みな様に素敵なクリスマスをお祈り申し上げます!

Sunday, December 3, 2006

明るい大英博物館

ロンドンの気候のせいかも知れませんが、もともと大英博物館の印象は、決して明るいものではありませんでした。一番最初に訪れたのが夏であったにもかかわらずです。しかしながら、ミレニアムを機に行われた大改造で、収蔵品のない空間には目一杯採光の工夫がされて、大英博物館もずいぶんと明るい印象に変わりました。食事などしようという気持ちの起こらなかった館内のカフェやレストランも、見違えるほどあか抜けてオシャレな装いへと変貌しています。


学生や一般の観光客に嬉しいセルフ・サーヴィスのカフェ


入り口の近くにある、少し落ち着いた雰囲気のカフェにはマダムたちが集う


時間がない中どういう順序で見て回れば良いか・・・ヴォランティアに相談


ウェルカム・コートの上層階にあるフォーマルなダイニング