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Saturday, February 10, 2007

「オトナ」のつくり方を考えた・・・

BankARTではどんな話をしようかと考えていたら・・・

今日の「題名のない音楽会」で東京芸大教授で、クラリネット奏者の村井祐児さんがこの3月に退官されるのを前に出演しておられ、「日本では音楽家は育たない」ということを訴えておられました。その際、村井さんのゲストとして、ジャズ・クラリネット奏者で横浜のBar Bar Bar常連の北村英治さんが出ておられました。トップ・ページに出ている新CDのタイトルは「クッキング」だそうです! 

村井さんが言っておられる「日本では音楽家は育たない」という意味は、日本の演奏家は「オトナになったら普通感じるはずの色々なこと」を経験せずに、テクニックだけ教えられてコンクールを渡り歩くから、いつまでたっても「子供の演奏」に留まってしまう・・・というご指摘でした。では、「オトナの演奏」をするにはどうしたら良いのか? その答えが現在77歳という、北村さんの「クッキング」にあるように思いました。

一方、今朝の日経新聞に「揺れる22歳の決断」と題して、働く意味を理解することなく社会へ出ていく有名大学卒のフリーター予備軍についての記事がありました。小学校から大学まで、寄り道しないことを前提で一直線に進学して、なんとなく「有名企業」を志向する日本の一般的な大学生について、「まだ若いのだから、途中で一年間ぐらい旅行するとか、ヴォランティアをするとか・・・」とイギリスの「ギャップ・イヤー」の制度などを紹介していたのですが、果たして「22歳」は若いのでしょうか?

村井教授が憂いておられることと、この日経の記事は、実は、根底でつながっているような気がします。もしかすると、「日本では音楽家は育たない」だけでなく、「ビジネスマンも育たない」のかも知れません。少なくても、「オトナになったら経験する」であろう多くのことを経験したり、考えたりする機会を与えられないまま大学まで来てしまった人たちに、コミュニケーション能力や想像する力、ましてや創造性といった生き抜くために必要な能力が十分に養われているとは思えないのです。

その「力=五感」を養うためには、料理をし、旅をして、それらを通じて友人をつくり、議論をして色々なことを考え、恋もして「オトナ」になれるのではないでしょうか?

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